七十二名の弟子の派遣の記事です。昔、矢内原忠雄というプロテスタントの方が東京大学総長だったとき、卒業式の訓示の中で、諸君を社会に送り出すのは、「狼の群れに羊をおくりこむようなものだ」という今日の聖書の箇所を引用して、演説したそうです。翌日の新聞各紙が、われわれ社会やマスコミを狼呼ばわりするとは何事か、と怒ったことはいうまでもありません。
イエス様はことさら、世の中が邪悪であるということを強調したかったわけではないと思います。
派遣にあたって、「これこれを整えてから」「これが足りない」「自信がない」といろいろ不足を数え上げるのではなく、主の力に委ねなさい、主にひたすら信頼することの大切さ、例え、狼の中に行こうとも、主の見守りの御手があることを信じなさい、という呼びかけでありましょう。
M.M.Joseph